『僕のヒーローアカデミア』を読了し、感動と共に心に残るホークスの安否。
ネット上には「死亡説」も流れ、原作を最後まで読んだはずなのに記憶が曖昧になっていませんか?
まず結論からお伝えします。
ホークスの象徴であった個性「剛翼」は完全に失われましたが
ホークスは生きています。ご安心ください。
この記事では、単に事実をなぞるのではなく、なぜホークスがその過酷な運命を辿り、全てを失ってなおヒーローであり続けたのか、その「ヒーローの本質」を原作の時系列に沿って、あなたと共に再発見していきます。
結論、ホークスは死亡していない。しかし…【ネタバレ解説】
まず、あなたが最も気にされているであろう結論からお伝えします。No.2ヒーロー、ホークスは死亡していません。物語の最後まで、彼は生き抜きました。
ネット上で「ホークス死亡説」が広まった主な原因は、超常解放戦線との全面戦争編、原作コミックスで言うと第30巻あたりでの彼の姿にあります。
長きにわたる潜入捜査の末、スパイであることが露見したホークスは、因縁の相手である荼毘の蒼炎によって、背中の翼ごと全身を焼かれるという瀕死の重傷を負いました。
このシーンの壮絶さから、彼の死を確信した読者が多かったのです。
しかし、ホークスは常闇踏陰ら仲間の助けによってその場から救出され、治療を受け一命を取り留めています。彼の生存は、その後の病院でのシーンで明確に描かれていますので、その点はご安心ください。
個性「剛翼」消失の全時系列 – 翼の焼失と“個性”の強奪は全く別の問題
ホークスの生存は確定しましたが、彼のヒーローとしての在り方を根底から揺るがす、もう一つの重大な事実が「個性『剛翼』の完全消失」です。
この個性消失を正確に理解するためには、「①翼の焼失」と「②個性の強奪」という、全く異なる二段階のプロセスがあったことを知る必要があります。この二つの出来事を混同してしまうと、物語の核心を見誤る可能性があります。
荼毘に翼を焼かれた時点では、まだ個性そのものは失っていません。
なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、「翼が焼かれたから個性も無くなった」と誤解されやすいからです。
正しくは、荼毘の蒼炎はあくまで個性の発動媒体である肉体(翼)を破壊したに過ぎません。
ホークスの個性の根源が完全に奪われるのは、この後、宿敵オール・フォー・ワンとの直接対決においてです。
この区別が、彼の物語を深く理解する鍵となります。
ステップ1:荼毘による「翼(肉体)」の焼失
前述の通り、全面戦争編において、ホークスと荼毘は激突します。このホークスと荼毘の関係性は、ホークスの肉体を破壊する直接的な原因となりました。
荼毘の蒼炎はホークスの剛翼をほとんど焼き尽くし、これにより彼は飛行能力や翼を精密に操る能力を物理的に失いました。
ステップ2:オール・フォー・ワンによる「個性(能力の根源)」の強奪
そして決定的な瞬間は、最終決戦で訪れます。瀕死のエンデヴァーを守るため、ホークスは満身創痍の体でオール・フォー・ワン(AFO)の前に立ちはだかります。
このホークスとAFOの関係性が、彼の能力を完全に奪うという致命的な結果を招きました。
AFOは、他者の個性を奪い取る自身の個性を行使し、ホークスの個性「剛翼」の根源そのものを奪い去ったのです。
これにより、たとえ今後ホークスの背中に翼が再生したとしても、二度と羽を操る能力は戻らないことが確定しました。
多くの人が誤解している「剛翼」消失の真実
ホークスが個性を失った経緯は、実は「翼が燃やされた」だけではありません。異なる二つの悲劇が、時系列で発生しているのです。ここを混同しないことが重要です。
vs 荼毘(全面戦争編) 【翼(肉体)の焼失】
- 荼毘の蒼炎により、個性を発動するための媒体である「翼そのもの」が物理的に焼き尽くされた。
- 結果: 翼が再生するまで、一時的に飛行能力などを喪失。
⬇︎ それから時を経て… ⬇︎
ステップ2:vs オール・フォー・ワン(最終決戦) 【個性因子の強奪】
- AFOの能力により、ホークスの中にあった「個性の根源(操る能力)」そのものを奪い取られた。
- 結果: たとえ今後肉体が回復して翼が再生したとしても、二度と羽を操ることはできない。(完全消失)
💡 つまりこういうこと!
荼毘によって「道具(翼)」を壊され、その後、AFOによって「使う技術(個性)」そのものを奪われた。この残酷な二段階を経て、ホークスは翼を失ったのです。
個性を失ってからが真骨頂。ホークスが最終決戦で果たした“ヒーロー”としての役割
しかし、物語の本質はここからです。最速の翼という、かつて彼のヒーローとしてのアイデンティティそのものであった個性「剛翼」を失ったこと。この喪失こそが、皮肉にも彼のヒーローとしての本質を、我々の目の前に炙り出すことになりました。
飛べず、剛翼も使えない。ヒーローとして絶望的な状況の中、ホークスは諦めませんでした。彼は刀を手に取り、AFOに立ち向かいます。直接的な戦闘力はもはやありません。ですが、彼のその不屈の闘志は、絶望しかけた仲間たちを鼓舞し、戦線を繋ぎ止める上で極めて重要な役割を果たしたのです。
彼の姿は、我々読者に、そして作中のキャラクターたちに雄弁に語りかけます。「ヒーローの本質とは、強力な個性の有無ではない」と。全てを失った「無力な状態」から見せた、自己犠牲を厭わない不屈の精神性こそ、ホークスという男の真の価値であり、彼が貫いたヒーローとしての生き様だったのです。
FAQ:ホークスに関するその他の疑問
Q1. ホークスの本名は?
A1. 本名は「鷹見 啓悟(たかみ けいご)」です。幼少期に父親から虐待を受けていたところを公安委員会に保護され、ヒーロー「ホークス」としての道を歩むことになりました。
Q2. 個性「剛翼」はもう二度と戻らないの?
A2. はい。オール・フォー・ワンに個性の根源ごと奪われたため、作中の設定上、彼の個性が自然に復活することはありません。
Q3. 物語の最後、ホークスはどうなったの?
A3. 最終回の後日談で、彼はヒーローを続けていることが示唆されています。翼は小さなものしか残っていませんが、その表情は晴れやかでした。彼の長年の願いであった「ヒーローが暇を持て余す社会」の実現に向け、これからも彼自身のやり方で貢献していくことでしょう。
まとめ:ヒーローの本質を体現した男
この記事では、ホークスの死亡説の真相と、個性消失の正確な経緯について解説しました。
- ホークスは死亡しておらず、生還した。
- 個性「剛翼」は、荼毘による翼の焼失と、AFOによる個性強奪の二段階を経て完全に失われた。
- 全てを失った後も、彼はその精神性で最後までヒーローとして戦い抜いた。
ホークスは、その身をもって「ヒーローとは何か」という、この作品の根幹テーマを我々に示してくれました。この記事で、あなたのホークスへの理解がさらに深まり、彼の物語をより一層愛せるようになったなら幸いです。
ぜひ、本記事で触れたコミックスの該当巻を、新たな視点で読み返してみてください。きっと、以前とは違う感動がそこにあるはずです。
【参考文献リスト】

